社会人が社会福祉士の資格を取るには

 学生時代は福祉に関心なかったけど、就職先が福祉系だったり、仕事内容が対人援助だったりして、福祉の知識が必要になって勉強を始め、どうせなら資格でも取ってしまおうかと考えて社会福祉士の資格取得を目指す人って多いのではないでしょうか。

 そういう私も学生時代は福祉系でない一般の学部で、多少は福祉系の単位も取っていたものの、資格取得なんて考えたこともなく、たまたま縁があった仕事で福祉についての知識が必要となり、資格取得に至りました。

 ただ、どうやったら資格が取れるのか、そもそも試験を受ける資格があるのかわからない人は多いでしょうし、私の場合は試験センターのサイトを何度見てもよくわかりませんでした。私の経験が少しでも誰かの役に立てばと思い、今回は資格取得までの流れをまとめました。

試験の動向

 第34回(令和3年度)の社会福祉士国家試験は、受験者数 34,563 人、合格者数 10,742 人で合格率は 31.1 %でした。そのうち、多くの社会人受験者が当てはまるであろう「一般養成施設等ルート」は 11,797 人で、受験者数の 34.1% でした。大学入学前から福祉の道を志し、福祉系大学を卒業した受験者 18,990 人、 54.9% に次ぐ勢力となっています。

資格取得ルート

 受験資格があるのかどうかは社会福祉振興・試験センターのサイト(https://www.sssc.or.jp/shakai/shikaku/route.html)で確認します。

 普通に学校を卒業して仕事をしている方に関しては、4年制の大学を卒業したか、4年の相談援助実務の経験若しくは短大の年数と相談援助実務の経験を足して4年を満たして、一般養成施設等を卒業する(必須)ことでようやく受験資格を得ることができます。

 私の場合は一般の大学卒業をして、相談援助実務の経験も4年以上あったので、どちらも満たしている状態で一般養成施設のリスト(https://www.sssc.or.jp/shakai/shikaku/s_12.html)の中から学校を選び入学しました。昼間や夜間の通学だと1年でその年度の試験を受けることができますが、通信だと1年6月くらいの期間で、2年目の年度末に試験を受けることになります。仕事をしながらだと、ほぼ通信一択になるかと思いますが、私の友人は仕事を辞め、昼間の学校に通って受験資格を得ていました。

一般養成施設等

 養成校の入学は4月がほとんどではないでしょうか。前年の10月くらいから募集が始まり、学歴や職歴の証明書類を集め、選考があるため、小論文を作って提出します。選考結果が送られてきて、学費等払い込んで入学となります。

スクーリング

 仕事をしながら学校に通う場合には通信課程になるかと思いますが、通信といっても100%通信で終了するということはなく、入学式やスクーリングなど、全部で10回くらいは学校に行くことが必要です。(新型コロナウイルスの流行以降は、オンラインでのスクーリングなども取り入れられており、必ずしも学校まで行く必要がない場合も多いと思われます。)

 私は開講式等合わせて計12回通学していました。隣接県でしたが電車に2時間ほど揺られてようやくたどり着く距離で、通学は心身ともに苦痛に感じることもありました。土日祝日に実施されるため、仕事を休む必要はありませんでしたが、平日は仕事をして、休日に学校、また平日に仕事と休みがなく2週間ぶっ続けは消耗激しかったです。

 スクーリングには全国いろいろな場所から生徒が集まります。学校によっては沖縄から北海道、九州、東北等本当に遠くから通ってきています。皆さん仕事も様々で10日ほど一緒にスクーリングをして、課題に一緒に取り組むわけで、いろんな話もできて視野も広がりとてもいい経験になりました。

レポート

 各科目についてレポートを作成して提出することになります。各学期(約4か月)ごとに10個弱で全部で30個以上の提出が必要となり、かなりハードです。各レポート1000字以上などの条件があり、評価が悪かった場合には再提出を求められるため、内容もテキストをよく読んだ上で作成する必要があります。

 仕事を終わった後に自宅でレポートを作成するってかなりきつい。ましてや自宅に世話をする家族がいた場合には相当です。もし家族の配慮があるならば、この期間は十分に甘えましょう。 

実習

 相談援助実務の経験が1年以上あれば実習は免除されますが、ない場合には実習を受けなければいけません。とは言っても、経験のない人にとっては特に実習先での経験は社会福祉士として活躍するために重要なものとなるかと思います。

 実習の時間は24日間以上かつ180時間以上ということで、期間にして1か月、1日7.5時間とフルタイムでの実習となります。仕事をつづけながらというのも厳しいですが、職場の理解があれば丸々1か月休暇をとって参加することも可能でしょう。

試験

  一般養成施設の課題をこなし、無事に卒業を迎えることができる状況になってようやく試験の受験資格を得ることができます。養成校の課題をこなすことで十分に実力はついていると思いますが、試験に対応するためには試験のための勉強も必要です。過去問演習を始めとした勉強をして、準備十分で試験に挑みましょう。

 最後に、試験に合格しただけでは社会福祉士を名乗ることはできません。合格した後は案内に従って資格の登録を行いましょう。

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