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問題30/第22回(令和元年度)/精神保健福祉士(専門)

精神保健福祉相談援助の基盤

 ある日、E精神保健福祉士の下に、以前支援していたFさんから手紙が届いた。次の手紙(事例)を読み、問題30から問題32までについて答えなさい。
 前略
 お久しぶりです。お元気でしょうか。私は変わりなく、毎日W地域活動支援センターに通っています。先日、心の整理もつき、母が亡くなってから3年ぶりに、やっとお墓参りに行ってきました。そこでふとEさんのことを思い出し、手紙を書かせていただきました。Eさんにお会いしたのは、入院して10年が過ぎようとした頃でした。あの頃は長い入院生活が続き希望も持てず、スタッフにやってもらうことが当たり前の、全てが受け身の生活でした。(問題30)
 しかし病気の母を看取りたいと思うようになり退院しましたよね。間もなく母が亡くなり、何か昼間にできることはないだろうかとEさんに相談しました。
 私はこれまでの人生を振り返り、母に従ってきたこと、それが正しいことだと思っていたことを話しました。Eさんは私の話をじっくりと聞き、「これまで、大変だったのですね。でも今のFさんは退院後も規則正しい生活を送り、何かをしてみたいという向上心がありますよね」と話してくれました。(問題31)
 相談の後、Eさんが立ち上げに関わったW地域活動支援センターを紹介され、自由に話し合える雰囲気が気に入り利用することにしました。そこで病気について勉強する講座を受講したところ、仲間同士が支え合う活動に興味が湧きました。自分の経験をいかせるのではないかと。そして、ピアサポーターとしてW地域活動支援センターで活動を始めました。そのことを知ったEさんが来て、「ここのスタッフとして働いてみては」と言われましたよね。あの時は正直、驚きました。ピア同士だからできていた話を仕事にすることや、利用者からスタッフに変わることによる立場の違いに戸惑いを覚えたからです。(問題32)
 今も十分とはいえないですが、何とか仕事も続いています。入院中には今の私を想像すらできなかったです。お墓参りで母に報告もできました。Eさんもお忙しいと思いますが、ご自愛ください。またお会いできる日を楽しみにしています。
 かしこ
 次のうち、この時点でのFさんの状態を示す用語として、適切なものを1つ選びなさい。