問題49/第26回(令和5年度)/精神保健福祉士(専門)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開
次の事例を読んで、問題49から問題51までについて答えなさい
Lさん(41歳、男性)は、20代で統合失調症と診断され、服薬を中断して体調を崩しては入退院を繰り返し、今回の入院となった。なかなか病状が安定しなかったが、入院して1年が過ぎ安定してきた。病棟担当の精神保健福祉士は、Lさんから、「両親とも70代で体調が悪いので、もう負担はかけられない。一人暮らしをして自立したいが、これまで家事は母親に任せきりだったため、いざ一人暮らしを考えると不安がある」と聞いた。そこで、地域移行支援を紹介し、利用することになった。後日、相談支援事業所のM精神保健福祉士とピアサポーターのAさんがLさんの元を訪れた。Aさんは、「僕も退院が不安だったけど、いろいろな助けを借りて一人暮らしができているし、好きなことに打ち込めて楽しいよ」と話し、自身の生活や利用しているサービスについて説明した。(問題49)次のうち、この時のLさんに対するAさんの役割を表すものとして、正しいものを1つ選びなさい。
Lさんは、「両親が貯めてくれたお金があるので、しばらくは生活の心配はないと思う」「Aさんのように一人暮らしを継続し、再入院しないで、好きな鉄道を自由に見に行きたい」「自炊したいし、家事や生活費のやりくりも頑張りたいが、自信がない」「ささいなことが心配になるので、相談できる場所があると助かる」と話した。M精神保健福祉士は、Lさんの思いを受け止め、地域移行支援計画案を作成した。(問題50)
Lさんは、AさんやM精神保健福祉士の支援を受けて退院し、引き続き地域定着支援を受けながら一人暮らしを始めた。そして、地域活動支援センターのB精神保健福祉士の支援を受けながら、フリースペースの利用や毎日の夕食会に参加し始めた。さらに、居宅介護による掃除の支援や訪問看護を利用して生活に慣れていった。しかし、ほどなくしてフリースペースや夕食会に顔を見せなくなった。B精神保健福祉士は、M精神保健福祉士と訪問看護師にこのことを話し、訪問看護時に一緒にLさん宅を訪れた。Lさんは、「夕食会で話の合う人がいないので居づらく、行けなくなってしまった。そのことに悩んだり、夕食作りなど家事を頑張ったので疲れてしまった。今は寝てばかりいて、家にひきこもっている。このままだとまた入院になってしまうのでしょうか」と話した。そこでケア会議が開催された。(問題51)