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問題52/第22回(令和元年度)/精神保健福祉士(専門)

精神保健福祉の理論と相談援助の展開

 次の事例を読んで、問題52から問題54までについて答えなさい。
 P市のAスクールソーシャルワーカー(精神保健福祉士)は、U小学校の教頭から5年生のBさん(11歳、女性)と面談してほしいと依頼を受けた。教頭の話によると、Bさんは1年前に両親が離婚し、3か月前に母親と共にP市に転入して二人で暮らしている。生活費等は父親が送金しているようである。U小学校に通い始めたものの遅刻や欠席が目立ち忘れ物も多く、登校しても表情は乏しくほとんど一人で過ごしている。心配した担任が母親に連絡を取ったところ、話のつじつまが合わず、周囲に悪い人たちがいて危ないと訴えていたという。Aスクールソーシャルワーカーが面接した際、Bさんはうつむいて黙り続けていたが、徐々に、「優しかったお母さんが変わってしまった。暗い顔してすごくつらそう。突然怖い顔して外に出るなと言ったり、夜中に壁に向かって何かをずっと言ったりしてすごく怖い」と話し、「私が何かいけないことしたのかな」と泣きじゃくった。(問題52)
 AスクールソーシャルワーカーはBさんの意向を確認した上で、P市を管轄する保健所のC精神保健福祉相談員(精神保健福祉士)に相談し、Bさんと母親への支援の協力を依頼した。C精神保健福祉相談員は、Bさんの母親に精神疾患が疑われることから、医療・教育・行政機関が連携した支援チームをつくり、訪問による支援を開始した。
 母親は支援チームのスタッフが訪ねても、初めのうちは玄関を開けてくれなかったが、訪問を繰り返すうちに顔を出すようになった。母親の話は脈絡のないことも多かったが、3年前に元夫に連れられて精神科を受診するようになったが、数か月前から通院をやめていたことが分かった。その後、母親は治療を再開し、訪問看護が行われた。この間、並行してBさんへの支援も行われ、Bさんは毎日登校できるようになった。(問題53)
 中学校に進学すると、BさんはC精神保健福祉相談員の紹介で精神障害のある親と暮らす子どもが集う会に参加し始めた。そして、「集う会では学校の友達に言えないことも話せる」とBさんが笑顔で話す様子もみられるようになった。(問題54)
 次の記述のうち、この時にAスクールソーシャルワーカーが行ったこととして、適切なものを2つ選びなさい。