問題54/第24回(令和3年度)/精神保健福祉士(専門)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開
次の事例を読んで、問題52から問題54までについて答えなさい。
B精神保健福祉士は、社員のメンタルヘルス対策の強化に伴い、大手製造メーカーの健康相談室に新たに採用された。ある日、健康相談室に製造管理課のC課長が欠勤が続く部下のことで相談に訪れた。C課長の話は、「部下のDさんは、責任感が強いため、多くの仕事を引き受けていた。無理をさせてしまった。Dさんに電話すると、『気持ちが落ち込み、眠れない。出勤できない自分が不甲斐{ふがい}ない』と自分を責めており、対応に困っている」とのことだった。B精神保健福祉士はC課長が心配している気持ちを聞き、Dさんへの対応について助言した。(問題52)次のうち、B精神保健福祉士が企画した研修の内容として、適切なものを1つ選びなさい。
その後、C課長は、「Dさんは仕事を休んでいるものの、体調は落ち着いてきたようだ」とB精神保健福祉士に報告した。また、C課長は、「実は、他にも心配な部下が何人かいる」「部下たちは仕事の負担が多くても、無理して頑張っているように思う」「取引先の納期の意向に沿えないことで営業課に批判され、部下たちの努力が社内で評価されていないのが悔しい」と語った。B精神保健福祉士は、この状況を人事担当者に伝え、ストレスチェックの集団分析の結果、製造管理課は総合健康リスクが高いことを確認した。同課は高ストレスの傾向にあり、仕事の量的負担が高く、互いを気遣っているものの同僚からの支援は受けにくい傾向であることが分かった。そして、人事担当者から高ストレスの要因となる職場環境の改善について取り組むよう依頼を受けた。B精神保健福祉士は、人事担当者やC課長と検討し、改善に向けた具体策に取り組んだ。(問題53)
B精神保健福祉士は、取り組む中で、製造管理課の社員の多くは良い製品を作ることを考え、妥協を許さない仕事ぶりが顕著であると感じた。そして、B精神保健福祉士は、今の問題を解決するための一助として、職場環境の改善に加えて、社員一人ひとりがよりよい対処法を身に付けるための基礎的な研修が必要と考え、人事担当者とC課長の了承を得て、業務内で製造管理課の社員が参加できるように研修企画を進めた。(問題56)