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問題54/第26回(令和5年度)/精神保健福祉士(専門)

精神保健福祉の理論と相談援助の展開

 次の事例を読んで、問題52から問題54までについて答えなさい。
 Cさん(45歳、女性)は、20歳の時に母親を亡くし、その後は父親と二人で暮らしてきた。35歳で統合失調症を発症し、入退院を繰り返したが、最近はデイケアに通いながら父親と家事を分担し、安定した生活を送っていた。ところが、父親が脳梗塞で倒れ、しばらく入院することになった。Cさんはショックで体調を崩し、デイケアを休む日が続いた。心配したデイケアのD精神保健福祉士が自宅を訪問すると、部屋に衣類が散乱していた。D精神保健福祉士が声を掛けると、Cさんは心細さから、「私はどうしたらいいのか分からない」と泣き始めた。D精神保健福祉士は、Cさんに同伴して父親の見舞いに行き、病院で説明された病状を解説したり、自宅に訪問してCさんの不安解消に努めた。また、Cさんが、「一人でいるのが怖い」と訴えたので、以前も利用したことのあるショートステイを勧めた。(問題52)
 ショートステイ後、Cさんは落ち着きを取り戻し自宅に戻った。しばらくして父親も退院することとなったが、父親には片麻痺が残り、今までのように家事を行うことは難しかった。ケアマネジャーはCさんのことも考え、父親に対してしばらく施設に入所してはどうかと勧めた。それを聞いたCさんは、「でもお父さんと一緒に暮らしたい」と困惑した表情で言った。D精神保健福祉士は、Cさんが介護に疲れて生活が成り立たなくなるのではないかと考えたケアマネジャーの意見に賛同したい一方で、Cさんの気持ちを考えて葛藤を抱えた。(問題53)
 その後、父親は自宅に戻った。Cさんは父親への訪問介護を活用しながら、食事作りと父親の介護を続けた。ある日、D精神保健福祉士がCさん宅を訪ねて様子を聞くと、数日前から一日一食しか摂っていないとのことであった。理由を聞くと、父親に健康飲料を飲ませたら元気になったように見えたので、追加で購入したら予想外に出費がかさんだと話した。Cさんは、「お父さんに元気になってもらいたいので、これからも健康飲料を買うつもり」と言った。そこで、D精神保健福祉士は、現段階での対応としてある提案をした。(問題54)
 次のうち、この時のD精神保健福祉士が行ったCさんへの提案として、最も適切なものを1つ選びなさい。