問題79/第23回(令和2年度)/精神保健福祉士(専門)
精神障害者の生活支援システム
次の事例を読んで、問題78から問題80までについて答えなさい。
Dさん(70歳、女性)は、統合失調症で精神科病院に長期入院をしていたが、10年前に退院に向けた支援を受けながら地域に戻った。その後、定期的な通院を続け、「障害者総合支援法」に基づくY機関に通所しながらアパートで一人暮らしを続けている。Dさんには妹がおり、アパートの近くに住んでいて関係は良好である。Dさんは週3回通所しているY機関で、公園の清掃活動とお菓子の箱折等の作業を行い、月1万円程度の工賃を得ている。DさんはY機関と雇用契約を結んでいない。(問題78)次の記述のうち、E職員が行った個別支援計画の変更に関する説明として、適切なものを2つ選びなさい。
Dさんは、Y機関での工賃と障害年金を受給しながら生計を立てている。Dさんは安定した地域生活を送っていたが、最近になって日常の複雑な動作が難しくなり、運動能力の低下も顕著になってきた。Dさん自身もそのことを自覚し、Y機関のE職員(精神保健福祉士)に、健康面での不安を抱いていること、日常生活においても調理や家事も少しずつ大変になってきていることの相談をした。そこでE職員はZ相談支援事業所のF職員(精神保健福祉士)に担当者会議の開催を依頼した。Y機関ではDさんの作業内容の見直しを検討した。その結果、公園の清掃活動を中止し軽作業のみ行うこととなり、通所回数を週2回にすることにした。E職員は「障害者総合支援法」に基づき個別支援計画の変更を行った。(問題79)
F職員はDさんと面接を行い、Dさんの生活状況を確認した。元々Dさんは整理整頓ができていたが最近では体が思うように動かず、ごみ出しができなくなっていたことや、一人で調理をすることが難しくなっていたことが分かった。また、日常生活のサポートは妹に頼っていたことも分かった。F職員が介護保険サービスの利用を提案したところ、Dさんも妹も利用に前向きな回答をした。そこで、F職員はDさんの介護保険サービスの利用に向けて調整を行った。その後、Dさんは介護保険サービスの利用申請を行い、認定調査の結果、要介護1の判定が出た。(問題80)