公務員試験の穴場?法務省専門職員(人間科学)採用試験を過去の結果から考察してみた。

公務員になる!といっても国家公務員や地方公務員、専門的な試験など多くの試験があって、どの試験を受けるのか迷ってしまう方は少なくないでしょう。基本的に公務員試験の倍率はとても高く、試験に合格するのはとてもハードルが高いです。できれば競争率の低い試験を受けたいと思うのは、ごくごくまともな考え方だと思います。

法務省専門職員について

法務省専門職員は法務省で専門的な知識をもとに働く国家公務員です。法務省専門職員ってなんだという方は過去の記事をご覧ください。

数ある公務員試験の中で「法務省専門職員(人間科学)」採用試験」は受かりやすい試験なのか。それとも競合の多い大変な試験なのかを考察してみました。

過去の結果

過去3年分の試験結果を確認してみました。

矯正心理専門職A(男子)

年度申込者1次受験者1次合格者2次受験者合格者倍率
(受/合)
2022104787260332.4
2023112928577511.8
202416511910590532.2

矯正心理専門職の男子は例年100人程度受験し、50人程度の合格者が出ています。2倍前後の倍率です。

矯正心理専門職B(女子)

年度申込者1次受験者1次合格者2次受験者合格者倍率
(受/合)
202227519411091662.9
2023288212141120782.7
20242952267565425.4

矯正心理専門職の女子は例年200人強の受験者がいて、合格は50人強で倍率は2倍後半です。2024年度は5.4倍と非常に高い倍率となりました。

法務教官A(男子)

年度申込者1次受験者1次合格者2次受験者合格者倍率
(受/合)
20228875612982571883.0
20237825102902611693.0
20246775103052501583.2

男子の法務教官は受験者数が多く、倍率は3倍程度です。

法務教官B(女子)

年度申込者1次受験者1次合格者2次受験者合格者倍率
(受/合)
2022399293168155803.6
2023367239181156912.7
2024345256173136892.9

女子の法務教官も男子同様3倍程度の倍率です。

法務教官A(男子)(社会人)

年度申込者1次受験者1次合格者2次受験者合格者倍率
(受/合)
2022106534036202.7
202396453835202.3
2024103634642302.1

社会人男子の法務教官は倍率2倍から2倍後半です。

法務教官B(女子)(社会人)

年度申込者1次受験者1次合格者2次受験者合格者倍率
(受/合)
2022241110981.4
2023241110733.7
20242917151482.1

社会人女子の法務教官は受験者数が非常に少なく、10名強。採用人数によって倍率は大きく変動します。

保護観察官

年度申込者1次受験者1次合格者2次受験者合格者倍率
(受/合)
2022317194177154982.0
202332121110797603.5
2024266174121109712.5

例年200人程度の受験者がいて、合格者は70人程度出ています。倍率にして2倍から3.5倍になっています。

他試験との比較

採用倍率の比較

国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)(行政・全国)は

2022年度:2.9倍、2023年度:2.5倍、2024年度:2.5倍

と2.5倍から3倍程度でした。これと比較すれば、法務省専門職員(人間科学)の試験は一般職試験と同程度の倍率であると言えます。

試験科目の比較

試験科目は国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)(行政)と重なるものがほとんどです。

基礎能力試験は出題範囲、試験時間も同じで、個別の対策は不要です。

専門試験は一般職(大卒程度・行政)では以下の16科目から8科目(5題ずつ)選択し、計40題です。

政治学、行政学、憲法、行政法、民法(総則及び物権)、民法(債権、親族及び相続)、ミクロ経済学、マクロ経済学、財政学・経済事情、経営学、国際関係、社会学心理学教育学、英語(基礎)、英語(一般)

一方で法務省専門職員は矯正心理専門職区分は必須で心理学20題に加えて以下の各10題から20題選択、法務教官区分と保護観察官区分は以下の科目各10題の計40題です。

社会学心理学教育学、福祉

つまり、社会学、心理学、教育学に関しては、国家公務員の一般職試験を受けるのであれば、同時に対策が可能で、福祉のみ個別で対策することで足りてしまいます。

最後に

法務省専門職員(人間科学)採用試験は一般的な倍率であり、穴場ということもなく、かといって難関ということもありません。

試験科目は国家公務員の一般職試験とほぼ同じであり、日程など調整をして、受験が可能であれば積極的に受けてみることをお勧めします。

しかしながら、試験科目は少しだけ異なるため、この試験を本命とするのであれば、必要な対策を十分にとることで、他の受験者と差をつけることが可能です。専門のテキストや専門の講座を受講するなどして対策しましょう。

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