問題72/第20回(平成29年度)/精神保健福祉士(専門)
精神保健福祉に関する制度とサービス
次の事例を読んで,問題70から問題72までについて答えなさい。
Dさん(52歳,男性)は,高校卒業後に地元の印刷会社に就職したが,20歳代前半に,統合失調症を発症したことを契機に退職し,以後は入退院を繰り返していた。自宅では両親と三人で生活していた。5年前に父親を肺がんで亡くし,それからは,年老いた母親との二人暮らしが続いている。Dさんにきょうだいはいない。次のうち,F精神保健福祉士がDさんに利用を勧めた機関として,適切なものを1つ選びなさい。
現在のDさんは,通院以外は自宅に籠りがちであるが,調子が良いときには,近所の図書館まで出掛けて読書をすることがある。これまで,75歳になる母親がDさんの身の回りの世話をしてきたが,先月,風呂場で転んでから歩行が不自由になり,家事をこなすことが難しくなってきた。母親の状態を見兼ねたDさんは,自ら家事をしたり,時には母親の入浴を手伝ったりするようになった。
最近,町内に住むEさんが,Dさんと母親の生活の様子を気にかけて,時々家を訪れて声を掛けてくれるようになった。Eさんは,厚生労働大臣から委嘱されて,住民の立場に立って,相談に応じ助言を行う人である。Dさんが母親の介護で疲れないか心配し,何らかのサービスを利用してみてはどうかと声を掛けてくれた。(問題70)
そこでDさんは,通院先の精神科病院のF精神保健福祉士に,Eさんから母親のサービス利用について声を掛けられたことを話し,どこに相談すればよいか尋ねた。相談を受けたF精神保健福祉士は,介護保険法に規定される相談窓口となる機関をDさんに紹介することにした。(問題71)
その後,Dさんは,母親のサービス利用をきっかけに,「自分も何かサービスを利用して,家の外に出る機会を増やしたい。何かやってみたい」とF精神保健福祉士に相談するようになった。Dさんの希望を聞いたF精神保健福祉士は,まずは,Dさん宅から歩いて行ける距離にある,市町村地域生活支援事業で創作的活動を行っている機関の利用を勧めてみた。(問題72)