介護福祉士は、介護分野で唯一の国家資格です。
介護士は、高齢化が進む日本においてますます需要が高まる職業であり、求人も数多くあります。この資格を取得することで、介護の現場で専門的な知識と技術を持って働くことができ、キャリアアップにも繋がります。本記事では、介護福祉士国家資格の取得方法について、具体的なステップと注意点を詳しく解説します。
介護福祉士とは?
介護福祉士の資格を定めている「社会福祉士及び介護福祉士法」には、
「介護福祉士」は、介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護(喀痰吸引その他のその者が日常生活を営むのに必要な行為であつて、医師の指示の下に行われるものを含む。)を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うこと「介護等」を業とする者をいう。
と定義されています。この資格を持つことで、専門的な介護技術と知識を持ち、利用者の生活の質を向上させることが期待されます。また、介護福祉士は、チームのリーダーとして他のスタッフを指導する役割も果たします。

介護福祉士国家資格を取得するための条件
介護福祉士国家資格を取得するためには、いくつかの条件を満たす必要があって少々複雑です。日本で生活している人の場合は以下のとおり「実務経験ルート」、「福祉系高校ルート」、「養成施設ルート」の三つのルートがあります。もう一つのEPAルートに関しては、介護士の不足を解消するために外国から招へいされた人たちの受験ルートになります。
詳しくは試験の実施機関のホームページに記載がありますので、よく確認してください。

実務経験ルート
介護職員として現場で実務経験を積み、介護福祉士国家試験の受験資格を得るルートです。
実務経験ルートは、介護福祉士の資格を得る上で最も一般的な取得方法で、受験者の8割以上がこのルートから受験をしています。
受験資格を得るためには以下の二つの要件を満たす必要があります。
- 介護現場での実務経験が3年以上(かつ従事日数が540日以上)あること。
- 実務者研修を修了していること。
介護施設などでは、無資格の介護士として働くこともできるため、まずは介護士として仕事を始め、実際の介護現場で経験を積む中で、更なるステップアップとして介護福祉士の資格取得を目指すといった人が多いです。
介護福祉士を目指して学校を卒業したのに、実際に働き始めたら介護の仕事が合わなかったということにならないように、まずは介護の現場で経験を積むことが現実的な選択です。
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福祉系高校ルート
福祉系高校を卒業することで、介護福祉士国家試験の受験資格を得ることができます。介護福祉の基礎知識や技術を実践を通じながら学び、専門家として活躍することが期待されます。このルートでの要件は以下のとおりです。
- 福祉系の高校で、介護に関する専門課程を修了していること。
- 高校卒業後、介護の現場での実務経験は不要。
養成施設ルート
平成28年度(第29回)までは養成施設を卒業することで介護福祉士の資格取得ができましたが、「社会福祉士及び介護福祉士法」の改正により、平成29年度(第30回)から、養成施設ルートが介護福祉士国家試験の受験資格となりました。
つまり、介護福祉士の養成施設を卒業することで受験資格を得た後、年に一度の国家試験を受けて合格することが必要になりました。
なお、経過措置として「養成施設を令和8年度末までに卒業する人」は、卒業後5年の間は、国家試験を受験しなくても、または、合格しなくても、介護福祉士になることができます。この間に国家試験に合格するか、卒業後5年間続けて介護等の業務に従事することで、5年経過後も介護福祉士の登録を継続することができます。
令和9年度以降に養成施設を卒業する方からは、国家試験に合格しなければ介護福祉士になることはできません。
養成施設ルートの場合、実務経験は不要で、介護福祉士養成施設(専門学校や大学など)で指定のカリキュラムを修了することが要件となります。なお、養成施設に入学するためには、「高等学校卒業以上かそれに準ずる者」の要件があり、一般的に高卒以上の人が対象となります。いわゆる中卒の人は実務経験ルートを選択しましょう。
養成施設に通う期間は、
高卒から入学した人は「2年以上」
高卒で、福祉系大学、社会福祉士養成施設、保育士養成施設を卒業した人は「1年以上」
です。
介護福祉士国家試験の概要
介護福祉士国家試験は、年に1回行われます。
筆記試験
筆記試験では、介護に関する広範な知識が問われます。具体的には、以下の分野から出題されます。
- 人間の尊厳と自立
- 人間関係とコミュニケーション
- 社会の理解
- こころとからだのしくみ
- 発達と老化の理解
- 認知症の理解
- 障害の理解
- 医療的ケア
- 介護の基本
- コミュニケーション技術
- 生活支援技術
- 介護過程
- 総合問題
筆記試験の合格基準は60%程度以上で、問題の難易度によって合格点が調整されます。
試験勉強のポイントと対策
介護福祉士国家試験は、合格率が60%前後とされており、しっかりとした準備が必要です。以下のポイントを押さえて勉強を進めましょう。
計画的な学習
試験範囲が広いため、計画的な学習が重要です。毎日少しずつでも勉強を進め、試験までのスケジュールを立てましょう。
過去問演習
本試験の対策として最も有効なのが過去問演習です。出題範囲は限られているので、過去の問題と傾向は変わりませんし、ほとんど同じような問題がでることもあります。また、実際の過去の試験問題を解くことになるため、本番の練習にもなります。出題範囲の中で、自分が理解できていること、理解できていないことを確認することができます。過去問を反復して解くことで、確実に試験に合格するための実力をつけることができます。
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まとめ
介護福祉士国家資格の取得は、介護のプロフェッショナルとしての道を開く大きな一歩です。実務経験や学習計画をしっかりと立て、試験に臨むことで、合格の可能性を高めることができます。介護福祉士としてのキャリアを築き、多くの人々の生活を支えるやりがいのある仕事を目指しましょう。
この記事が、介護福祉士国家資格の取得を目指す方々にとって、有益な情報となれば幸いです。ぜひ、この記事を参考にして、資格取得の一助となるよう応援しています。
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